Facebookのタイムラインに「新規事業に向かない「最悪の部下」」というページが紹介されていました.
https://eiicon.net/articles/416
以下のような部下が「最悪の部下」として紹介されていました.
・きちんと仕事をしようとする部下
・評価を気にする部下
・ヨイショする部下
それぞれの部下への対処法は上記のページをご覧いただければと思いますが,著者の結論がよかったです.
「実は私は部下に対して「最悪」と思ったことは一度もありませんでした。いい部下に恵まれただけかもしれませんが、既存事業に染まった「サイアク」の状態から、新規事業に向いた「サイアイ」のメンバーにするのも、私の役割だったので。」
考えてみますと,「研究をする」というのも「新規事業を立ち上げる」ようなものです.もちろん,新規事業の方が,ビジネスにまでもっていかなければならないので,大変であろうと思いますが,「研究」は,まさに道無き道をつくりながら進んでいく仕事ですので,新規事業に向かない部下(同様の考え方をしてしまう学生)もやはり研究には向かないのだろうなぁ,と思います.
学校教育に,また勉強する,ということに「最適化」されてしまうと,手続きや評価に目が向きがちで,チャレンジして失敗することに価値を見出せない学生が多くなってきているのに気づきます.失敗したときに,何に失敗したのか,それが,根本的な見当違いなのか,それとも,単に技術的な失敗であっただけで,それをクリアすれば,成功にいたることができるのか,そのあたりのところを見定めて進んでいく力が求められていると思います.
能力は高いのに,チャレンジができない学生さんをみていると,もったいないなぁ,と思ってしまいます.こじんまりまとめた1回目のものより,10回失敗して,練り直したものの方が,ずっと優れていることに気づいて欲しいです.
とはいえ,いろんなチャレンジができるというのは,最低限必要な知識や力をじっくり蓄えた上での話なので,その力を蓄えるときの取り組み方と,蓄えた力を発揮するときの取り組み方には大きな違いがあることを知ってほしいですね.そのためには,力を蓄える時にどのように教えてもらうのか,というのが重要なんでしょうね.
紹介したページの著者が述べるように,学校教育に染まってしまった「サイアク」の学生さんたちを,「サイアイ」の弟子をそだてていくのも,大学の教員としての醍醐味であろうと思います.今の若者は!と愚痴を述べるのではなく,どのように一人前にしていくのか,と考えて取り組むのがプロフェッショナルであろうと思っています.