このページでは,研究室で推進している研究プロジェクトを紹介します.関心のあるプロジェクトに参画することもできますし,過去の文献調査をもとにして,自分の関心のある社会シミュレーションプロジェクトを新たに開始することも可能です.
Google Scholarで自分の興味のある論文を調べる.
上記の検索画面の下にある「巨人の肩の上に立つ」は,アイザックニュートンの述べた,”If I have seen further it is by standing on ye sholders of Giants.”に由来するものです.たとえ,新たな研究を始めるとしても,なんらかの形で必ず過去の研究との関連が存在します.過去の研究の上に,何ができるかを考えつつ,研究を進めていきましょう.
社会シミュレーションシステム(SSS)には,個人レベルのSSS,自治体レベルのSSS,国レベルのSS,世界レベルのSSSが考えられます.小規模なレベルのシステムを構築しながら,それらを組み合わせて,より大規模なシステムの構築を目指したり,抽象的なモデルを構築していきながら,具体化を進めて行く方法があります.
社会シミュレーションシステム:個人レベルから世界レベルのつながり
世界レベルの社会シミュレーションシステム
世界レベルでのSSSでは,国家横断的なネットワークを対象としたシミュレーションを行います.正真正銘の世界モデルとなるためには,エージェント数を増やし,実際の国家横断的な取引をシミュレートすることが最終的な目標になります.以下にあげるプロジェクトは,単純化したモデルしか扱えていませんが,国家横断的なレベルのシミュレーションを行うことが目標になります.
商品価値プロジェクト
このプロジェクトでは,市場における商品価格が下落しないためのシグナリングの重要性に関する研究を行っています.
杜 逆索,博2017:エージェントベース社会シミュレーションを用いた経済市場と社会保障制度に関する研究
マイノリティゲームプロジェクト:原田 拓弥(2013-)
このプロジェクトでは,少数勝利のマイノリティゲームを多数のエージェントで実現することにより現れる現象を観察する研究を行っています.
国レベルの社会モデルとシミュレーションシステム
国レベルでのSSS(社会シミュレーションシステム)では,国全体の政策を検討します.
杜 逆索,博2017:エージェントベース社会シミュレーションを用いた経済市場と社会保障制度に関する研究
陳 志斌,修2011:エージェントベースシミュレーションによる公的年金制度の分析
番匠 大輔(工学研究科),博2009:社会基盤を対象にした不確実性下における意思決定支援に関する研究
茶本 悠介,修2009:マルチエージェントシミュレーションによる政党間競争と有権者行動の検証
熊野 大弥,卒2022:行政のデジタルトランスフォーメーションを促進するための公的個人認証サービスの利活用における課題
杉浦 翔,卒2016:Agent-Based Modelを用いた消費税増税による所得格差への影響についての分析
小堀 正明,卒2009:不安感を考慮した年金納付行動モデルの提案
澤 輝彦,卒2009:世代別積立方式に基づく公的年金制度における地域間公平性の検証
陳 志斌,卒2009:世代別積立方式に基づく公的年金制度のマルチエージェントモデルの構築
和田 篤志,卒2009:地方自治における二元代表制のシミュレーションによる検証
茶本 悠介,卒2007:マルチエージェントシミュレーションによる政党間競争の検証
自治体レベルの社会モデルとシミュレーションシステム
自治体や地域レベルでのSSSでは,自治体や自治体横断的な地域の政策を検討します.
小西 健太,修2011:投票率向上と選挙経費削減を目的としたシミュレーションツールの開発
十倉 伸太郎,修2010:アンケート結果と政府統計に基づく医療機関選択シミュレーションの設計と実装
中尾 優希,卒2022:自動体外式除細動器(AED)の設置場所に関する分析
福島 惇輝,卒2021:自動体外式除細動器(AED)の利用可能時間に関する分析
高本 那由多,卒2019:通話機能を持つAED搬送要請システム
桧山 貴憲,卒2018:デジタルサイネージを用いたAED緊急搬送支援システムの提案
濱口 祐実,卒2017:投票参加モデルを用いた共通投票所の有効性の検証 ー函館市における平成28年参議院議員通常選挙の事例ー
笠谷 直輝,卒2013:空港選択
小西 健太,卒2009:多目的最適化による投票区の再区割り
十倉 伸太郎,卒2008:ID3による医療機関選択アンケートからのルール抽出
個人レベルの社会モデルとシミュレーションシステム
このレベルの社会シミュレーションシステムでは,個人の意思決定がどのように行われているかを再現します.
吉田 英悟,卒2022:同調性バイアスによる感染症予防策の採用行動に関するシミュレーション
勝 直貴,卒2022:新型コロナウイルスワクチンのフェイクニュースの現状と考察
世古 麻鈴,卒2021:オンデマンド型と同時双方向型の講義効果の分析事例
田中 寛樹,卒2021:走者が避難時に与える影響のシミュレーションによる考察
戸塚 康平,卒2021:エージェントベースシミュレーションを用いた観光客の分散化の評価
山下 幹太,卒2021:シミュレーションによる新型コロナウイルス接触確認アプリの効果の測定
宮澤 直樹,卒2020:エスカレーター利用者の再現シミュレーター
山崎 仁一朗,卒2019:エスカレーターの両側立ちと片側立ち利用のシミュレーション分析
松永 幸一,卒2015:連帯集団における共通利益を実現するためのコミュニケーションに関するシミュレーション
小高 大地,卒2010:
宇留島 裕明,卒2009:河川氾濫における災害避難シミュレーションによる避難指示に関する考察
中本 好紀,卒2009:細胞の再生を考慮したセル・オートマトンによるHIV感染モデル
後呂 圭祐,卒2008:MASによるイベント会場における心理的影響を考慮した混雑解消
立松 瑠美,卒2004:火災時の避難経路案内による避難行動支援の有効性
八木 貴志,卒2004:初期採用者の分布と採用行動の伝搬の関係
学習プロジェクト
このプロジェクトでは,エージェントの意思決定手法の一つとして考えられるニューラルネットワークや強化学習,遺伝的アルゴリズムによる学習に関する研究を行っています.
小暮 隆之,修2008:マルチエージェントの相互行動予測における予測対象に関する研究
山口 正聡,修2007:QDSEGAによる多脚ローバーの歩行運動獲得
中村 貴志,修2006:役割を考慮した遺伝的ネットワークプログラミングによるマルチエージェントの行動制御
溝口 裕,修2006:島モデルを導入したウイルス進化論に基づく進化型アルゴリズム
周 新雷,卒2013:手書きスケッチ技術獲得支援システムの提案
Mar Siu Kee,卒2009:自己代理強化学習による交通信号制御における評価関数の検討
小林 広嗣,卒2008:クリーンナップ問題における状態分割による改善手法
安里 晋吾,卒2008:ICOOPのためのQ学習による状態行動空間の学習
藤井 友樹,卒2007:不完全知覚情報のための繰り返し情報を用いたepisode-based profit sharingの拡張
垣内 真悟,卒2006:学習進化型遺伝的ネットワークプログラミングの性能評価
西山 明志,卒2006:インタラクティブGAを用いた四脚ロボットの歩行行動獲得
山下 康太郎,卒2006:使用状況に基づくノード数可変型遺伝的ネットワークプログラミング
岡田 大輔,卒2006:遺伝的ネットワークプログラミングを用いた実ロボットの行動獲得
大久保 雅,卒2004:新規属性生成過程の改良による決定木の分類性能の改善
中村 貴志,卒2004:遺伝的ネットワークプログラミングへの自動グループ構成手法の適用
松本 浩,卒2004:失敗領域の推定と成功行動政策の適用による強化学習の性能向上
溝口 裕,卒2004:ニューラルネットワークにおける長期記憶の想起による干渉の抑制
シミュレーション支援
シミュレーション支援には,シミュレーションのパラメータチューニングの支援,シミュレーションを実装する並列計算機や遠隔地にある計算機を運用する際に必要な技術,シミュレーションの並列計算機を用いた大規模化,シミュレーション結果の視覚的な提示などが含まれます.
原田 拓弥,修2017:並列計算環境を用いた社会シミュレーションにおける再現性の確保
森本 伍一,修2012:GISに着目した社会政策支援システムのための可視化研究
田中 義久,修2010:オンデマンドで利用可能なP2P型計算継続支援システムの構築と適用
森下 仙一,修2010:メッセージ交換方式によるマルチエージェントシミュレーションの大規模化に関する研究
青木 悠祐,修2010:パラメータセットを用いるシミュレーションを行う研究者支援システムの構築と適用
原田 拓弥,卒2015:General-Purpose Computation on GPUsを用いた再現性のあるAgent-Based Simulationの高速化
清水 美沙,卒2008:リードソロモン法を用いたファイルシステムの効率的な利用の検討
田中 義久,卒2008:断続的な計算機利用を考慮したMAS分散処理の実装
畑下 歩,卒2008:グリッド効率比較システムにおけるネットワーク切り替えシステムの構築
森下 仙一,卒2008:MPIとGridRPCを併用したMASプログラムの実装
青木 悠祐,卒2008:マルチエージェントシミュレーション実験支援システムの構築
吉成 真二,卒2008:医療機関選択における情報可視化システムの構築
玉垣 宏行,卒2007:マルチエージェントシミュレーションのための余剰計算力に基づく動的不可分散の検討
松本 優美,卒2006ッドによるマルチエージェントシミュレーションの分散処理
濱田 英信,卒2006:大量タスク実行を考慮したグリッド向けタスクスケジューラの提案
合成人口データプロジェクト:
このプロジェクトでは,社会シミュレーションの基礎となるエージェントの属性を統計データから再構成する研究を行っています.
原田 拓弥,博2018:日本全国
杉浦 翔,修2018:所得追加
枡井 大貴,修2017:Simulated Annealingを用いた統計情報からの市民属性の合成
岩瀬 大樹,卒2022:合成人口データにおける就業者への従業地の割当て
北下 慎太郎,卒2022:合成人口データを活用した就業者の通勤経路・通勤所要時間の推定
枡井 大貴,卒2015:エージェント属性復元におけるSimulated Annealingを用いた世帯構成の最適化
社会シミュレーション可視化プロジェクト
このプロジェクトでは,社会シミュレーションの結果をGoogle Earthなどに表示するシステムに関する研究を行っています.
自然言語プロジェクト
このプロジェクトでは,自然言語で記述された文書の分類システムに関する研究を行っています.
白戸 祥子,修2006:表現キーワードを手がかりにした自己評価文書分類システムの開発ー学習者の自己評価文書に対するフィードバック支援ー
大野 高司郎,卒2015:Twitterの単語検索による小規模コミュニティの探索手法
中上 聖月,卒2008:アンケート自由回答文分類支援システムの構築
村津 宏典,卒2007:ゼロ代名詞を含む関連質問群に対するデータ可視化手法
田中 雅之,卒2006:キーフレーズ抽出ルールを用いた商品評価部分抽出システム
小島 千紗都,卒2006:テキストマイニングと強化学習を用いたレポート自動分類
冨永 慎太郎,卒2006:HTMLテキスト分割手法を用いた観点語を含む重要文抽出の有効性
依藤 卓也,卒2006:Small World構造に基づくキーワード抽出手法の日本語文書への応用
安部 正吾,卒2006:単語出現頻度情報を用いた自己組織化マップによるレポート分類
垣東 伸明,卒2004:評価表現を用いた商品紹介ページのマッピング
白戸 祥子,卒2004:閲覧時間を考慮した閲覧履歴を用いたブラウザによる再閲覧支援
服部 哲,卒2004:SVMによる重要文抽出における素性の特性
二上 敦志,卒2004:ファジィ推論を用いた作曲支援システムにおける類似モチーフの生成
千葉 大樹,卒2004:文と文の繋がりを重視した要約文章生成手法の提案
組合せ最適化プロジェクト
このプロジェクトでは,社会シミュレーションでしばしば発生する組合せ最適化問題を解くための手法に関する研究を行っています.多数の利害関係者が存在する中でそれぞれの満足度を高める政策の決定方法に関する研究を行っています.
滝 晃徳,修2010:多数目的最適化問題のための目的合成手法を用いた進化計算の提案
板井 良太,修2006:配送時期を考慮した3目的配送車経路問題のための2段階EMOアルゴリズム
滝 晃徳,卒2008:目的合成を取り入れた多目的最適化
西田 光宏,卒2008:ランダム選択を含むアントコロニーアルゴリズムのFSPへの適用
上久保 絵理,卒2006:多目的ナップサック問題のための起因レベルを用いた局所探索の有効性
板井 良太,卒2004:GAを用いた看護師勤務表自動生成手法に基づく人員増強策提案システム
高田 建治,卒2004:セルラーGAと島モデルGAの融合方法におけるパラメータ特性
中村 明博,卒2004:多目的連続関数最適化問題の遺伝的局所探索法の改良
前田 真秀,卒2004:並列適応型遺伝的アルゴリズムを用いた高速道路の最適流入制御の有効性
谷 峰範,卒2004:車両計画問題における配送利益最大化のための車両台数切り換え法の提案
以下は編集中
2015 鵜野 佑紀,廣瀬 裕司
2014 笠谷 直輝,西尾 孝博
2012 小高 大地,森本 伍一
2005 上田 真理子,奥井 晶久,垣内 祥史,金子 顕利,厚東 たゆま,小暮隆之(〜2007年3月修士号取得),席定 和哉,高田 英之,谷口 和大,永峰 翔,藤原 悠生,御船 毅,三ツ井 秀明,山口 正聡(〜2007年3月修士号取得),安部 正吾,宮田 諭,山本 博之,逸見 真弥,清松 晋一
国レベル
税制プロジェクト
このプロジェクトでは,消費税増税と景気の関連など,税制に関する研究を行っています.
年金プロジェクト
このプロジェクトでは,日本の公的年金制度に関する研究を行っています.
政党政策ポジションプロジェクト
このプロジェクトでは,有権者の期待する政策にしたがう政党の政策ポジションに関する研究を行っています.
自治体レベル
空港選択プロジェクト:
このプロジェクトでは,大都市圏にある複数の空港を活用するためのアクセスに関する研究を行っています.
医療機関選択プロジェクト
このプロジェクトでは,市民の医療機関選択をシミュレートする研究を行っています.
投票率向上プロジェクト
このプロジェクトでは,投票率を向上させる投票所の最適配置について,多目的最適化手法を用いた研究を行っています.
個人レベル
選択行動シミュレーションプロジェクト
このプロジェクトでは,訪問先の混雑状況に合わせて,人々の施設選択行動がどのように変化するか,行動経済データに基づいたシミュレーションに関する研究を行っています.