読書ガイド

「なんかいい歴史が学べる本ないですか?」という質問を受けて作ってみました。

1. コンピューティング史の入門書

  • 水越伸、飯塚肇、弓場敏嗣、信原幸弘、桂英史『コンピュータ半世紀』ジャストシステム、1996年
  • この本自体が読書ガイドになっている。複数の学問的立場からコンピュータ論の名著を読むという趣向。この授業は、さまざまな興味から受講している人が多いので、こういった複眼的歴史観なら、自分にとって興味が持てる切り口が見つかるのでは?

  • 星野力『誰がどうやってコンピュータを創ったのか』共立出版、1995年
  • そもそも「デジタルコンピュータ」の定義って何?という疑問が起こった人には、この本がお勧め。ENIACについての解説も書かれている。

  • C&C振興財団編『コンピュータが計算機と呼ばれた時代』アスキー、2005年
  • 日本のコンピュータ史に興味がある人にお勧めのビジュアル本。授業で紹介した阪大真空管計算機のことも記述されている。

  • ペギー・キドウェル、ポール・セルージ著、渡邉了介訳『目でみるデジタル計算の道具史』ジャストシステム、1995年
  • これもビジュアル本系の歴史書だが、スミソニアン博物館の学芸員コンビで書いた「コンピュータハードウェア史の正史」といった趣の本。スミソニアンの収蔵品の記述が厚いのは仕方ないが、そのために宇宙開発にかかわったコンピュータがちゃんと扱われているのはイイ。親しみやすい入門書としてお勧め。

2. 日本語で読める関連書籍

  • ハワード・ラインゴールド著、日暮雅道訳『新・思考のための道具』パーソナルメディア、2006年
  • 1987年に出版された原著の増補版の翻訳。歴史書として見ると、いろいろ不備はあるのだが、思考支援にコンピュータを使うという思想の系譜を描き出すという意図がしっかりと貫かれている。リックライダーやテイラーほか、ゼロックス社パロアルト研究所のことが紹介されている。

  • 西垣通編著『思想としてのパソコン』NTT出版、1997年
  • Mark Stefik編著、石川千秋監訳、近藤智幸訳『インターネットの新しい未来:電網新世紀』パーソナルメディア、2000年
  • ACMプレス編、村井純監訳、浜田俊夫訳『ワークステーション原典』アスキー出版局、1990年
  • この3冊には、授業では原文で取り上げた文章のうちいくつかが翻訳されている。参考にどうぞ。

  • 喜多千草著『インターネットの思想史』青土社、2003年
  • 喜多千草著『起源のインターネット』青土社、2005年
  • この2冊には、授業で話しきれなかったことも、いろいろ詳しく書いてある。図書館に入っているので、もっと詳しく知りたい人は是非手に取ってみて欲しい。