はじめに

 iPhoneをはじめとするスマートフォンの普及を筆頭に、生活のあらゆる場面で、タッチパネルを搭載した機器が急速に浸透している。例えば、銀行のATMやカーナビゲーションシステム、さらに近年では、商業施設の案内板や書店の検索機器などにも搭載され始めている。

 なぜ、これほどまでにタッチパネルの普及が加速しているのだろうか。その最大の理由として挙げられているのが「直感的な操作が可能である」ということだ。 画面に直接触れて操作ができるため、老若男女問わず、誰でも簡単に扱えると言われている。 しかし初めて操作したとき、その操作方法に戸惑いを覚える人は少なくない。

 スマートフォンを初めて使用したとき、使いづらかったという経験をしている人が多いようだ。例えば代表的なものに、「指を左右にスライドさせると画像が切り替わる機能」が挙げられる。スマートフォンでは、画像を切り替える操作として、指を右方向に滑らせれば次の画像に、左方向滑らせれば前の画像に切り替わる機能が備わっている。これは、本をめくってページを進めるという、現実で行なっている動作と同じように操作ができるように設計されている。そのため、この操作は直感的であるといわれている。しかし、スマートフォンを初めて操作する人は、この機能に戸惑いを覚える。それは、今までの携帯に表示されていたはずの矢印アイコンや、戻る・進むボタンが表示されていないため、どのように操作すればよいのか分からないからであろう。これまでの経験で、表示されているボタンを押すことでしか操作してこなかった人たちが、本をめくる動作で操作することを思いつくことができるのだろうか。

 このようなインタフェースは一見直感的であるように思えるが、実際は私たちのこれまでの経験や学習といった側面を無視するデザインとなってしまっているのではないだろうか。そこで今回は、本当に直感的なインタフェースはどのようなものなのかを検証するために、タッチパネルの人気を不動のものとしたiPadを使用して実験を行った。その内容をまとめたものが、当ウェブサイトである。