はじめに

 このサイトでは、緩和ケアや介護保険制度に関する書籍を選び、検索サイトに実装するまでの過程についてまとめており、緩和ケアを必要とする人およびその家族が実装した検索サイトを活用し、必要な情報を得ることを目的としている。

緩和ケアとは

 生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、QOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)を改善するアプローチのこと。
 ―WHO(世界保健機関)による定義(2002年)

研究背景

 がん対策基本法に基づいて2007年6月に策定された「がん対策推進基本計画」では、重点的に取り組むべき課題として、がんと診断された時からの緩和ケアの推進を掲げている。
 2014年11月10日から11月16日に全国20歳以上の男女3000人を対象に行われた内閣府の「がん対策に関する世論調査」によると、がんに対する緩和ケアはいつから実施されるべきものと思うかという質問に対し、「がんと診断されたときから」と答えた人の割合が57.9%、「がんの治療が始まったときから」と答えた人の割合が21.8%であった。
 がん治療で早期から緩和ケアを取り入れる必要があるとの認識が広がる中、緩和ケアへの正しい理解が重要であろう。そこで本研究では、治療における意思決定やQOL(生活の質)の向上をはかるため、医療知識を持たない人に緩和ケアの情報を提供するサイトを作成することにした。


先行研究

 2008年から2010年にかけて実施されたOPTIM プロジェクト(Outreach Palliative care Trial of Integrated regional Model,厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」)では、緩和ケア推進に取り組む際に役立つ成果物や介入過程を作成することを目的に、公募選出された鶴岡三川(山形県)、柏(千葉県)、浜松(静岡県)、長崎(長崎県)の4地域を研究フィールドとし、がん緩和医療・緩和ケアに関する質の向上とその普及に関する研究活動が行われた。
 その成果の1つに、2008年3月に浜松地域で作成された「緩和ケアを知る100冊」がある。これは、2008年1月を最新出版年とする緩和ケア関連の書籍を「緩和ケアとは?」、「命や生きる意味を考える・心を癒す」、「からだのつらさを和らげる」、「こどもと一緒に学ぶ・小児とご両親のがん」、「自宅で暮らす」の5テーマに分類し、医療知識を持たない人が緩和ケアについて多面的に知ることを目的とするものである。
  「緩和ケアを知る100冊」


本研究のアプローチ

 本研究では、2008年2月から2015年9月の間に出版された緩和ケア、介護保険制度、在宅医療に関連する書籍を対象とし、その中から緩和ケアへの理解や、QOLの向上に有効であると考えられる100冊の書籍を選出した。そして、選出した100冊を「緩和ケアを知る100冊」の5テーマに分類する。
 分類に際しては、「緩和ケアを知る100冊」の5テーマの他に、新たなテーマを設ける必要があるかを検討する。書籍を5テーマに分類した結果を基に、チェックボックスで項目を選択することにより、必要な情報を得られる検索サイトを構築する。また、本研究で構築する検索サイトは、緩和ケアを必要とする本人および、その家族に向けに作成する。

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