はじめに

1.研究の背景

近年急速なインターネットの普及により、誰でも作品をWeb上で発表することが容易になった。それに伴い漫画やアニメのキャラクターや世界観を用いた二次創作も積極的に行われるようになり、 盛り上がりを見せている。2007年12月には音声合成ソフト「VOCALOID 2初音ミク」などの販売元であるクリプトン・フューチャー・メディア社が ユーザーの二次創作を支援するためのサイト「ピアプロ」を公開し、「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を定めることによりユーザーが安心して二次創作に取り組める土壌を整え、話題を呼んだ。 また、2013年7月には作家が二次創作同人誌を認める意思表示のマーク「同人マーク(仮)」を、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの活動母体であるNPO法人コモンスフィアが発表した。 しかし二次創作は本来、著作権法ではなんら規定されておらず、また版権元に許可を得て行われているものはごくわずかであるため、多くの場合違法となっている。

2.二次創作とは

二次創作とは漫画やアニメ、ゲームなどの既存のキャラクターや世界観を用いて新しく創作された作品や、それを創作する行為のことを言う。 批評家の東浩紀は『動物化するポストモダン』において二次創作について以下のように定義している。

二次創作とは、原作のマンガ、アニメ、ゲームをおもに性的に読み替えて制作され、売買される同人誌や同人ゲーム、同人フィギュアなどの総称である。
動物化するポストモダン(東浩紀、講談社、2001)

また、同人誌に限って言えば、そのジャンルと内容について阿島俊は、

素材はマンガ、アニメ、小説、ゲーム、映画、特撮、ドラマetc、とありとあらゆるものが使われている。 いわば作品の数だけパロディが存在するわけで、 無いものを探すほうが難しいかも知れないほどだ。 内容はお気に入りのキャラクターを使い、原作では描かれない日常や恋愛等のサイドストーリーを独自に創作したものから、 ほかのドラマや映画、小説等の話を使い演じさせる二重のパクリ、じゃなくてパロディまでさまざまだ。(161ー162頁)
(阿島俊『マンガ&アニメ同人誌ハンドブック'95版』久保書店 1994)

と紹介している。

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