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はじめに

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先行研究

Approach

SNSの実態調査

Research by Questant

結果分析と考察

Filtering + Classification

まとめと検証

By GMO researsh

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はじめに

    1.問題提起

  •  近年、人々は日常的にソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)を利用するようになった。 ICT総研のSNS利用動向に関する調査では、日本のSNS利用者は4,965万人に達し、国内ネットユーザーに占める普及率は52%となったとされている。 そのような中、トレンド総研が行った『SNS上の人格事情に関する調査』によると3人に1人以上が友人や知人に知らせていないSNSのアカウントを持っているという実態が明らかとなった。
     パトリシアウォレスは著書『インターネットの心理学』の中で、インターネットの匿名性から年齢を偽ったり、異性になりすましたりして、オンラインで出会う人に対して、自分の印象を操作したものをオンライン・ペルソナと定義している。 SNSの活用範囲や自由度が高まり、人々はインターネットの特性を利用して、実生活と異なった新たな自分のオンライン・ペルソナを「創作」することが可能になった。
     本研究ではSNSの特徴を分析し、そこから人々がオンラインでの自分をどのように演出するかということに焦点を当て理論と実証の両面から考察することを目的としている。

  • 2.先行研究と本研究のアプローチ

  •  20~30代の男女300人のSNSユーザーに対してトレンド総研が行った『SNS上の人格事情に関する調査』によると4割以上の人はSNSとリアルで人格を使い分けており、またそのうちの過半数が匿名アカウントと実名アカウントのSNSメディアで投稿内容を意識的に変えているという結果が明らかとなった。 その理由として、「仕事関係のものと趣味のものをわけたいので」(30 代・男性)などのように、公私で使い分けているという意見と、「自分だとバレたくないので」(30 代・女性)というように、完全にネット上での自分の世界を持ちたいという考えが多く見られた。つまり、一部のユーザーにとって匿名SNSは、リアル社会の生活の中では十分に発揮できない自分の多様な一面を表現できる場、リアル社会の規則に抑圧されて普段語られることのない趣味や本音を吐露できる場として利用されているのではないだろうか。
     マーケティングリサーチ事業を展開する株式会社リビジェンが行った調査では、SNSのアイコンで「実際に会った時の印象が変わる」と思う人は約7割いるということも明らかになった。
     これらの調査結果を受け、各SNSによって人格を使い分けるという実態と、アイコンと実生活の“自分“との間にギャップを創出してしまう要因を探るため、本研究では株式会社マクロミルの展開するアンケートサービス『クエスタント』を活用し、SNS利用者100人にアンケートを実施した。そしてその結果を基に6つの視点から回答を分析した。

  • 3.調査内容

  •  調査の対象となったのは10代~50代の男女100人で、ネット上での行動についての調査のため、匿名性を高めたオンラインアンケートを用いた。
     質問項目は、⑴性別、⑵年齢を尋ねた2項目と、SNSの利用に関わる質問を12項目、全14項目である。  
     調査内容は、⑶利用しているSNS、そのSNSごとの⑷登録名、⑸交流範囲、⑹利用目的、⑺使用しているアイコンである。 また、調査の比較や検証を図るため先行研究でも明らかとなった⑻アイコンによって会った時の印象が変わるかを質問し、それに加えて⑼そう考えた理由を質した。 人格の使い分けの実態に触れる項目として、⑽以下でSNSの使い方についての質問を行った。
    a. ありのままを投稿する    b. 写真アプリを使って自分の顔を綺麗にする
    c. 普段言えないことをつぶやく d . 旅行や食べ物の写真などを加工する
    e. アカウントを複数持っている f. 充実しているアピールをする
    g. 他人の行動を隠れて調査する h. あてはまるものはない

     さらに、⑾b.に経験があった人と、⑿d.かf.のいずれかに経験があった人、⒀e.に経験があった人に理由を尋ね、 最後に全回答者に⒁SNSとは何かを自由記述してもらった。 さらに、⑾b.に経験があった人と、⑿d.かf.のいずれかに経験があった人、⒀e.に経験があった人に理由を尋ね、 最後に全回答者に⒁SNSとは何かを自由記述してもらった。

  • 4.結果と考察

  •  アンケート結果をもとに6つの視点から分析を行った。
    ⑴ 性別を質した時、”回答しない”を選択した回答者が2人いた。この回答者を質的分析した結果、共通点や傾向が見えてきた。
    ⑵ 利用しているSNSの登録名(実名に近いかor匿名に近いか)で、SNSでの交流範囲は相関してくるのかをクロス集計して分析した結果、関連性があることが分かった。
    ⑶ 利用しているSNSの利用目的の選択肢(16項目)を発信型、受信型の利用目的に類型化し、SNSごとに平均値を算出し、どちらの傾向が強いかを分析した結果、twitterやFacebook、LINEをはじめとし、ほとんどのSNSで大差は見られなかったが、GREE、Amebaに関しては発信型、mixiは受信型の傾向が強いという結果が得られた。
    ⑷ 利用しているSNSの使用しているアイコンが、SNSの登録名(実名に近いかor匿名に近いか)で差異があるのかを分析した。
    ⑸ SNSの利用経験について『写真加工アプリを使って自分をきれいにする』と回答した方の特徴を検証した結果、見えてきた共通点のうち、この項目を選択した回答者の性別がすべて”女性”であったこと、また71.4%の方がアイコン画像と会った時の印象は変わると回答していたことが、標本による偶然の結果ではないということを、帰無仮説、対立仮説を用いて検定を行い、信頼できる結果とみなされた。
    ⑹ SNSとは何かを自由に記述してもらい、大半の回答者が、交流するためのもの、暇つぶしのツール、連絡手段、情報収集などと答えた中で、“ネットでのもう一つの人格”、“本当の自分を出せる場所”などと人格について触れた回答者が5人いた。この5人の共通点を考察するため、質的分析を行った結果、傾向が見えてきた。
     以上の考察を踏まえて、SNS上でオンライン・ペルソナを持っている人はSNS上で利用するニックネームをはじめ、それに伴ってアイコンや交流範囲なども実生活の自分と区別をしていることがわかった。またそういったオンライン・ペルソナを演じる人は、実生活の自分とインターネット上の自分との間で人格を使い分けているという自覚を持っているということもわかった。

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